「ファイザーCEOが語る 未来との約束」
(ハンク・マッキンネル著、村井章子、ダイヤモンド社)
製薬業界の世界一企業、米国のファイザー社の会長兼CEOが書いた医療への希望と願いが込められた本。
ご存知のように、日本も米国もそして世界中の国々で、従来の医療制度に黄信号が灯っている。総医療費の増大、医療事故の増加、そして医療に対する不安と不信。皆真面目に対策を考えているが何かが間違っているのではないか。それに対して製薬業界のトップが投げかけた、こういう考え方があるという問いかけ。医療を患者と医者の関係に戻そう、治療も大事だがもっと予防に重点を移そう、そういったことが書かれている。
製薬企業の経営者が自分達の都合の良いように書いていると見る人もいるだろう。そういった読み方もあると思う。しかし内容は非常に真摯なものであるし、一顧の価値はある。
なお、中のエピソードにも良いものがあるので、それだけでも面白い。
著者は"自分の健康には自分で責任を持つ"を始めとして10の提言を行っている。詳しくは本書を読んで欲しい。あまりにも楽観的で魅力的で、しかしながら今までの各国政府の思想と全く反対の方向であるので実現は非常に難しいと思う。
医療関係の端っこに位置する者として、良い提案の一つだと思われる。
興味のある人はぜひ一読を。あなたの健康や医療に対する視点が変わるかもしれない。
« 「「脳」整理法」 | トップページ | 明日の世界はどっちだ?な観測 »
コメント