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2009年1月 1日 (木)

「時代を見通す力~歴史に学ぶ知恵」(副島隆彦)

 PHP研究所から副島さんの本が出るとは思いませんでしたが、なるほど松下幸之助の生き方が正しいという論旨であれば納得がいきますね。

 まず文天祥。
 南宋の文官でしたが、対元戦争に指揮官として活躍しますが、武運つたなく元軍に捕虜にされてしまいます。元に宰相格として勧誘されながら拒み続け牢屋で詠んだのが「正気の歌」で、この正気の歌が鎌倉~昭和初期までの日本思想の一部となっていることが書かれています。
 副島さんは文天祥が大好きのようです。

 続いて関羽。
 三国志の時代、劉備、張飛とともに義兄弟となったのは有名な話です。そして関羽は死後関帝となり、今でも漢民族に愛されています。

 江戸の世、徳川政権下では儒教が正統とされていましたが、あまり人気がなかったようで、どちらかというと水戸学(国学)が好まれていたみたいです。御三家の水戸が将軍より天皇を正統としているって捩じれ具合が歴史の凄いところですが。

 そして、富永仲基。
 仏教、儒教、神道全部を批判した人です。今ならキリスト教も批判したかも。神道は道教の化態したものだというのはそうかも。

 余談ですが関さんの本を考慮に入れると古代神道と奈良平安以降の神道の間にも段差があるはずで、日本古来のものというのは確かに違うかもしれませんね。
 江戸時代は僧侶が幅を利かせていて神官より格上だったこと。明治の廃仏毀釈にみられるように、僧侶はかなり嫌われていたようで。次の明治~昭和初期は逆に神官が威張っていたそうで、なんだかなあと思いますが。

 そして幕末の話ですが、公武合体は天皇と将軍の暗殺で空中分解してしまったと。歴史書では天皇が全身から血が出る病で亡くなったと書かれていますが、しれっとよく書きますね記録者も・・・
 こうして明治維新となるわけですが、明治の指導者は英国に教育された人々で構成され、日本の本物の志士及び武士で寝返らなかった者はすべて粛清されています。これが副島節。

 さて、これからは所謂ロスチャイルドとロックフェラーの話。二者の関係は本書では共存関係ではなく競争関係になっています。まあ我々にとってはどっちでもいいわけですが。

 とりあえずロックフェラーが米国の院政担当(または令外の官みたいなもの?)、ロスチャイルドが英国の院政担当としておきましょうか。

 英国の属国として日清日露の二大戦争をこなし、五大国の一つにまで数えられた大日本帝国ですが、外の状況が変わってしまった。

 そこに至るまでにまず、捕鯨の話から。

 幕末19世紀になると、北方からは露、太平洋からは米と鎖国がしんどくなってきます。
 今でこそ日本とアイスランドとノルウェイくらいが捕鯨国で世界の残りの国々は反捕鯨国となってしまっていますが、19世紀までは灯油として鯨油が使われていたのは有名な話。
 米国は鯨を求めて西太平洋まで渡来してきます。日本の昔流の捕鯨が衰退して行ったのは、米国が獲り過ぎたからなんですが、まあそれは余談。
 ここで薪炭の補給基地として日本に開国を迫った米国。尊皇攘夷と開国の間で揺れる国論は、次第にフランスが支援する幕府側と英国が支援する薩長側に二分され、結局は玉を手に入れた薩長が主導権を握ります。ちなみに藤原氏(五摂家)はちゃっかり勝ち組と手を握っていますね。さすが。

 米国も南北戦争で忙しくなかったら、英国に主導権を握れらることはなかったんじゃないかな。まあ、それはさておき。

 鯨油から石油へのエネルギー革命がこの時代起きます。ここでロックフェラーが石油を元に大化けします。並み居る有力財閥を傘下にし、ロスチャイルドを凌駕したとかしないとか。
 まあ、それはともかく米国・ロックフェラー。英国・ロスチャイルド影響下にある日本を引き剥がしにかかります。

 西暦1932年、米内光政が何故か海軍陸戦隊を上海に派遣し攻撃(ぼこぼこに反撃されていますが・・・)。ここから激しくおかしくなります。西暦1933年に日本軍は万里長城線を越えて熱河作戦を起こします。原敬、犬養毅、高橋是清といった中国戦反対派は軒並み暗殺されています。西暦1937年、盧溝橋事件から本格的に日華戦争が開始。同年、第二次上海事変、南京攻略、渡洋爆撃など目白押しです。
 対中国・米国戦反対派の石原莞爾は左遷。不拡大派も敗れます。
 西暦1941年、日米開戦直前の御前会議で陸軍幹部が「もうこれ以上出兵は無理」と言っているのに、海軍主導で出兵は決定。米内、山本、井上が米国と共謀した真珠湾攻撃がここに実行されます。
 何故山本長官は第二次ハワイ空爆をさせなかったのでしょうね?
 その後は歴史のとおり。
 西暦1945年、もう戦争をやめたがっていた日本に対し、米国は原爆完成まで黙殺。8月、広島、長崎に二発の原子爆弾が落とされ、日本軍は前面降伏となります。
 この後、東京裁判でA級戦犯となった7人が絞首刑になりますが、何故海軍の人は入ってなかったのでしょうね?
 何故米内は広島に原爆が落ちたとき「天佑だ」と言ったのでしょうね?
 阿南陸相は切腹する間際、何故「米内を斬れ!」と叫んだんでしょうね?

 歴史の話はこれまでにして。

 今回副島さんの力点としては、こういった歴史話を展開しながら、富永仲基、松下幸之助の思想を褒めています。
 真面目に働いてまともな金を得ること。誠の道、正直者の道となりましょうか。

 副島さんの文章は「だ・です」が混在するし、自己主張は強いし、ひょっとしたら間違いがあるかもしれないけど、そういう瑣末なところではなく大筋でこうしたい、ってところに好感がもてます。

 でも、この前の元素周期の本といい、PHPもくだけてきましたね。
 

 

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