大江戸神仙伝(石川英輔)
東京で暮らしていた人が、とあるきっかけで文政年間の江戸に時間移動してしまってさあどうなる、というタイムスリップものなのですが、小説というよりお江戸案内記みたいなものです。
NHKラジオ第二で石川さんが江戸時代のことについて語るシリーズがあり、それで興味を持って読んでみたという感じです。
石川さんはSF作家で、SF西遊記(TVアニメにもなってて見た記憶があります。スタージンガーだったかな)の作者だったとあとで知ってびっくりでした。
主人公の語り口というか筆者の意見が良く出てくるのでうるさいと感じる人がいるかもしれませんがまあそういう本だからいいじゃないですか、と思ったり。
江戸時代をほめて現代社会を皮肉っているのでそういった筋の人にはバイブルのように思えるかもしれませんが、石川さんは江戸時代を礼賛して現代社会を卑下するのが目的じゃないから間違えないように。
今ほどいい時代というものはない、と言っていますし江戸期が手放しで良いといっているわけでもない。けれどもこの時代もうちょっと江戸期のことを思い出してどうにかした方がいいんじゃない、という穏健なことをおっしゃっているだけです。
ちょいと話の流れに昭和を感じますし、ご都合主義って言えばご都合主義なのでそこらへんは目を瞑るのがよさそうですが、単純に読んで面白いです。
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