「まおゆう魔王勇者」(橙乃ままれ)
魔女と勇者。
数多の物語では勇者が魔王を討って”おしまい”になるのですが、本書はちょっとそれとは異なるものです。
アニメーションにもなり多くの人が読んでいるのでいまさらの紹介文ではありますが、まず魔王と勇者が組むところが従来の路線とは異なります。
そして文章。
ほとんど会話文が続きます。
落語とか台本とか、インターネット出身ということもあり、そんな感じの文体です。
これで物語が進んでいくのが、とても面白い。
物語は人間と魔族が合い争う世界の中、文明的には中世くらいの世界に、農業革命、技術革命、人権革命などなど、16世紀以降に出現したさまざまなものを導入するといった形で、世界が変化していく様子を描いていきます。
登場人物のそれぞれがシリアスとギャグのバランスで配置されていて、こういった設定がおなじみの人もいるとは思いますが、全体的にはかっこいいセリフがたくさんあって、なんというか燃えます。
一言でいうと”漢”が多いな、といったところでしょうか。
アニメーションから入った人も、一度読むともっと世界が広がると思います。
お薦めです。
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