「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 1.接触編<上><下>」(柳井たくみ)
21世紀のある日、突然銀座に異世界の門が出現、その中から現れた中世風の軍隊とファンタジー世界のモンスターのような集団、それらはいきなり人々を襲いながら進軍を始めた・・・
なんとか警察、機動隊そして自衛隊の反撃で撃退することができたが、依然状況は不明のまま。
政府は特地(特別地域)と仮称した異世界へ自衛隊を派遣することに決めたのだった・・・
こんな感じで始まるファンタジーです。
いわゆる「門の向こう」はファンタジー世界そのままです、中世ヨーロッパ的世界にエルフやドラゴンが住んでいて、魔法も存在するファンタジー。
そして「門のこっち側」はリアルな現代世界のデフォルメです。現代小説そのままの世界です。
自衛隊が別の世界に行くということで戦国自衛隊を思い浮かべるかもしれませんし、軍隊とファンタジー世界というとアバターを思い浮かべるかもしれません。異世界との交流物だとアウトブレイク・カンパニーを思い出す人がいるかもしれません(もっとも、最初の発表はゲートの方が6年くらい早いらしいですが)。
いや確かに、自衛隊+ファンタジーは珍しいですが、ファンタジー物はたくさんありますし、日本政府や自衛隊が、外国や野党から意地悪されるという図はライトノベルでも普通になってきました。
主人公ハーレム物はライトノベルの常道ですので、本作でも主人公・伊丹耀司はファンタジー世界の住人、ヒロイン(エルフ、魔法使い、ゴスロリ神官)と良い関係になります。
それ以外の女性キャラとの絡みもたくさんありますし、ここはライトノベルに似ています。
けれども、ゲートはちょっと違う(ライトノベルとノーベルと、本屋さんによって置いてある場所が違うのでライトノベルとは違うと言い切れないのがなんとも)。
主人公はバツイチの33歳なので見た目10代(?)の異世界少女達に対してなにかお父さん的な雰囲気があります。
自衛官の癖に怠ける方が優先(おまえはヤンか)、「反戦自衛官の方がまだましだ!」と言われる始末。
ライトノベルの主人公のように俺つええ、となるわけでもなく、それでも周囲の人を惹きつけていくものを持っています。
同時にまじめな人からは蛇蝎の如く嫌われてしまうわけですが・・・
登場人物はたくさんいますので、主人公以外の人に思い入れを持ってもいいかもしれません。
自衛隊+ファンタジーの群像劇、どう展開していくか楽しみです。
漫画版も出ているみたいです。
小説1巻(上下)に当たるのが1~3巻になります。
自衛隊に対する諧謔だけでなく、日本国政府、野党、諸外国に対する諧謔がいっぱいです。
けしからん、もっとやれ。
アニメも2015年7月から始まっています。
主人公・伊丹に諏訪部順一、テュカに金元寿子
この二人はインターネットラジオのパーソナリティーもやっています。
○~アルヌス放送局~
http://hibiki-radio.jp/description/gate
レレイに東山奈央(また優等生まじめ少女をやってる・・・)、ロゥリィに種田梨紗、ピニャに戸松遥(また姫様か)、栗林に内田真礼(また主人公を罵倒する役か・・・)
しかし、これアニメにする時に放送しにくいのが多すぎるね。
銀座事件でドラゴンが人を食うシーンとか騎兵が人を殺しまくる場面とか銀座で帝国軍が領有宣言するシーンはアニメでは削られましたね。
例えば国会のシーン、あるいは旅館攻防戦はどうなるのでしょうかね。
銀魂232話は放送中止になりましたが、今回はどうでしょう。
ここを削るとわけがかからなくなるんですけどね。
まあ、見守りましょうか。
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