2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック

« 勝つ議論 | トップページ | フィデル・カストロの予言 »

2015年7月31日 (金)

自衛隊や集団自衛権に反対する人は、何のために誰のために反対?

さくら

 友達がね、自衛隊は憲法違反だって言い張っているのよ。
 確かに憲法第9条には戦力は保持しないって書いてあるんだけど、どうなの?

しろぎつね

 まあ、普通はそう思うよなあ。
 でも第9条だけ見て鬼の首を取ったように憲法違反を叫ぶのもかっこ悪いかな。
 憲法第9条は誰でも知っているが次のとおり。

第九条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
第二項
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 そして日本国憲法は1947年5月3日に施行。
 多分この時点では、字義通りに軍隊を置かないつもりだったんだろうな。
 駐留米軍もいるし。
 ところがその後の歴史がこうなる。

1950年6月25日 朝鮮戦争勃発。
1950年8月10日 警察予備隊設置。
1951年9月8日 サンフランシスコ講和条約。
1952年4月28日 (旧)日米安保条約。

 そして1954年5月1日、日米相互防衛援助協定が結ばれる。
 ちょっと前文だけ書いてみる。

 日本国政府及びアメリカ合衆国政府は,

 国際連合憲章の体制内において,同憲章の目的及び原則を信奉する諸国がその目的及び原則を支持して個別的及び集団的自衛のための効果ある方策を推進する能力を高めるべき自発的措置によつて,国際の平和及び安全保障を育成することを希望し,

千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約に述べられている日本国が主権国として国際連合憲章第五十一条に掲げる個別的又は集団的自衛の固有の権利を有するとの確信を再確認し,

千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約の前文において,日本国が,攻撃的な脅威となり又は国際連合憲章の目的及び原則に従つて平和及び安全保障を増進すること以外に用いられるべき軍備をもつことを常に避けつつ,直接及び間接の侵略に対する自国の防衛のため漸増的に自ら責任を負うことを,アメリカ合衆国が期待して,平和及び安全保障のために暫定措置として若干の自国軍隊を日本国内及びその附近に維持するとある趣旨を想起し,

日本国のための防衛援助計画の策定に当つては経済の安定が日本国の防衛能力の発展のために欠くことができない要素であり,また,日本国の寄与がその経済の一般的な条件及び能力の許す範囲においてのみ行うことができることを承認し,

アメリカ合衆国政府が,前記の目的とするところを達成するためアメリカ合衆国による防衛援助の供与を規定する改正後の千九百四十九年の相互防衛援助法及び改正後の千九百五十一年の相互安全保障法を制定したことによりこれらの原則を支持したことを考慮し,

その援助の供与を規律する条件を定めることを希望して,

 次のとおり協定した。

 国連憲章第51条のもとに自衛隊が認められている。
 素直に考えれば、これが自衛隊の設立根拠だよね。
 そして1954年7月1日、自衛隊が発足する。
 ご丁寧に個別的又は集団的自衛の固有の権利を有するとの文言付だ。

さくら

 え、憲法第9条はどうなったの?

しろぎつね

 日米相互防衛援助協定だけだと、ちょっと第9条の立ち位置がわからないよね。
 そこで有名な日米安保条約が登場する。

1960年6月23日 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約

第一条
 締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。
 締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に遂行されるように国際連合を強化することに努力する。

第二条
 締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによつて、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。

第三条
 締約国は、個別的に及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。

第四条
 締約国は、この条約の実施に関して随時協議し、また、日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。

第五条
 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。

第六条
 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
 前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定(改正を含む。)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。

第七条
 この条約は、国際連合憲章に基づく締約国の権利及び義務又は国際の平和及び安全を維持する国際連合の責任に対しては、どのような影響も及ぼすものではなく、また、及ぼすものと解釈してはならない。

第八条
 この条約は、日本国及びアメリカ合衆国により各自の憲法上の手続に従つて批准されなければならない。この条約は、両国が東京で批准書を交換した日に効力を生ずる。

第九条
 千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約は、この条約の効力発生の時に効力を失う。

第十条
 この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。
 もつとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。

 参考までに全部書いたけど、日米安保条約第3条によって自衛隊は憲法上の規定に従うことを条件として維持発展される、すなわち憲法上の規定に従う限り、自衛隊が違憲というのは考えなくていい。
 言ってしまえば日米安保条約で憲法9条が上書きされたと考えていいと思う。
 外務省の解説も参考として書いておこうか。

<外務省解説>http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/jyoyaku_k.html
○第3条
 この規定は、我が国から見れば、米国の対日防衛義務に対応して、我が国も憲法の範囲内で自らの防衛能力の整備に努めるとともに、米国の防衛能力向上について応分の協力をするとの原則を定めたものである。
 これは、沿革的には、米国の上院で1948年に決議されたヴァンデンバーク決議を背景とするものであり、NATO(北大西洋条約機構)その他の防衛条約にも類似の規定がある。同決議の趣旨は、米国が他国を防衛する義務を負う以上は、その相手国は、自らの防衛のために自助努力を行ない、また、米国に対しても、防衛面で協力する意思を持った国でなければならないということである。
 ただし、我が国の場合には、「相互援助」といっても、憲法の範囲内のものに限られることを明確にするために、「憲法上の規定に従うことを条件」としている。

さくら

 じゃあ、なんで憲法違反なんて主張する人がいるの?

しろぎつね

 えっとね、これは誰と誰の契約だろう。

さくら

 日米安保条約ってことは日本とアメリカの契約だよね。

しろぎつね

 そう。日本とアメリカ以外の国には本来関係ない話。
 でも、自衛隊の存在とか在日米軍の存在が疎ましい国や人はどうすればいいだろう。

さくら

 この契約が無効だと言えばいいっていうこと?

しろぎつね

 日本と米国の契約を他人がどうこうは言えないのだけれど、嫌がらせだけならできる。
 だから60年安保反対運動があった。
 10年存続の際の70年安保反対運動があった。
 自衛隊に対する違憲訴訟があった。
 在日米軍に対する反対運動は今日続行中。

 でも、日本政府とアメリカ政府の間では契約が成立している。
 さて、誰が何のために反対しているんだろうね。

さくら

 「あっ察し」ってやつ?

しろぎつね

 そう。「あっ察し」。
 そもそも第9条を改訂したとしても国連憲章があるんだから、自衛隊が防衛主体の組織であることは変わらない。
 自衛隊を非難する人は何のために非難しているのだろうね。
 いや、誰のためにというべきかな。

« 勝つ議論 | トップページ | フィデル・カストロの予言 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/113694/61993168

この記事へのトラックバック一覧です: 自衛隊や集団自衛権に反対する人は、何のために誰のために反対?:

« 勝つ議論 | トップページ | フィデル・カストロの予言 »

今日の月齢

無料ブログはココログ

その他

  • 記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
    Copyright (C) 2010 - 2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.