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2015年8月31日 (月)

「怨讐星域」(梶尾真治)

I ノアズ・アーク
II ニューエデン
III 約束の地

 3冊で1200ページ以上の大作でした。
 3千円近くかかりましたし。

 話は、大規模な太陽フレアが起こり、地球はそれに飲み込まれて消滅するという予測が出てきたことから始まる。
 その予測を重く見たアメリカは、大統領他3万人を選んで極秘裏に建造した宇宙船で地球を脱出する。
 目指すは172光年先の地球に良く似た惑星。
 そして、残された70億人の人々は、自分達だけ脱出した大統領に怒りをぶつけながら、偶然その時期に開発された転送機を使って、同じく172億光年先の惑星を目指すのであった。
 宇宙空間を世代間で突き進む、宇宙船の人たち。
 なんとか目的の星にたどり着いた、わずかな人たち。
 自分達を見捨てた大統領を呪いながら、先に着いた人々がいることを知らずに、彼らは邂逅するのか。
 その時代、そのグループのオムニバスの物語が流れます。

 作者が執筆を開始したのが2005年といいますから、出版まで10年かかった計算になります。
 すごいですね。

 梶尾さんが実感する「作品が書かれた時代背景は必ず作品の中に潜んでいる」というもの。
 それがSFに限らず小説の限界であり、長所だと思うのです。
 その時代にしか書けないSFというのは、きっとあります。

 そして、この小説を読んで思い出した作品がいろいろあります。
 眉村卓の「司政官」シリーズ。
 筒井康隆の「虚航船団」。
 星野之宣の「2001夜物語」。
 もしこれらを読んでなかったら、怨讐星域を読んだ後に見てみるのも良いと思います。
 きっと違った印象が得られるでしょうから。

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