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2016年4月10日 (日)

読書記録 平成16(西暦2004)年

ホームページからの疎開 その4

読書記録 平成16(西暦2004)年

■ 1/4(日) ローマ人の物語XII 迷走する帝国

 (塩野七生著、新潮社)
 1年に1巻ずつ出ている本なので、12巻というのはとても感慨深いです
 分量もでかいし値段もしますし(笑)
 今巻は三世紀を描いていますが、ローマ帝国の下り坂という感じです
 どんなにがんばっても、良いと思って突き進んでも、昔と同じようには行かないと
 そういった悲しさが漂ってきます
 この本の中で一番記憶に残った台詞は、
 「どんなに悪い結果に終わったことでも、それがはじめられたそもそもの動機は、善意によるものであった」(p.32) ユリウス・カエサル
 です
 人間を束ねる政治は、そもそも難しいものなのです


■ 1/18(日) 四季 秋

 (森博嗣著、講談社NOVELS)
 このシリーズも登場人物に萌える本として定着した感じがあります
 今回は解答篇ということなのでしょうか、第一シリーズと第二シリーズの橋渡しがなされています
 これまでにも仄めかしというのはあったみたいですけどね
 最初から全体を見渡して書いていたのでしょうか
 現在まで3シリーズで23冊、破綻は少ないように見えます
 次は2ヵ月後の刊行の「冬」みたいです


■ 2/7(土) トラブルシューター シェリフスターズMS05

 (神坂一著、角川スニーカー文庫)
 ギャグとシリアスの融合というか、そんな感じの神坂作品
 人型クローン兵士という材料でこの作者が調理すればこんな感じになります
 他の作家だと、もっと荒唐無稽になるか、あまりにシリアスになりすぎるかのどちらかでしょうが、この人の味なのでしょう。この作品は
 唐突に終わったという感じもしないではないですが
 それなりに面白いシリーズでした


■ 2/15(日) 天国にそっくりな星

 (神林長平著、ハヤカワ文庫)
 メタ世界、猫、言葉の力
 神林作品は一味違う
 映画「マトリックス」のような、真実の世界があって仮想世界があるというような甘い世界観ではない
 そもそもこの作品は1993年というから11年前に出た本の文庫版である
 メタ世界を紡ぐ神林作品というのはすごいと思う
 それでも作者に言わせれば、先人の書いたものを書いてみたかっただけだということになるのだろうか
 (神林氏は海外の作家の名前を挙げていたように思う)
 それにしても、作中の言葉のやり取りは、非常に示唆的である
 たとえ一行知識のように思えても、それはそれで深いと思う
 この作品は面白いです
 作中の世界観が二転三転しますから、ついていくのが大変かも
 まあ、神林ファンなら大変ということはないか


■ 2/21(土) ラストサムライ

 友人が見てきて、良いよ~というので私も見に行きました
 トム・クルーズの俺様映画というのが災いしてアカデミーにはノミネートされませんでしたが
 西南戦争を下敷きにして書かれていますが、いい感じでした
 渡辺健が助演男優ノミネートされていますが、いい演技をしていますね
 しかも真田広之まで出演しているので殺陣は充分
 確かに突っ込みどころはあるのですが、それを言うとSF映画も一緒になるので置いておきます
 昔の日本を描いた映画よりも良くなっていますね
 でも日本を前面に出してしまったため、トム様が目立たなくなってノミネートされなくなったというのは皮肉か・・・


■ 2/22(日) アメリカ以後 取り残される日本

 (田中宇著、光文社新書)
 著者のサイトで公開されている解説をまとめて出版されたものです
 (著者のサイトはリンク集にあります)
 読めば現代世界の潮流が大体はつかめるかも
 著者が日本語で書かれた論文では世界の流れがわからなくて、閉塞感しか得られないというのには同意
 論旨としては、日本にとっても悪い方向には流れてないということでしょうか
 サイトはこちら


■ 2/26(木) スレイヤーズすぺしゃる22 Gハンター・フォルクス

 (神坂一著、富士見ファンタジア文庫)
 天才ともいえる、文章のボケ突っ込み
 疲れた頭に一服の清涼剤のような
 テンポがいいんですよ


■ 2/29(日) 歪められた日本神話

 (荻野貞樹著、PHP新書)
 「史実反映説」「創作説」といろいろ出ている日本神話ですが、やっぱり神話だよね
 実はギリシャ神話などでも同じことが言われていた時代があるのです
 つまりは「合理的態度」っていうのはソクラテスの時代と同じで、日本の学者は二・三千年前と同じことをやっているだけだと
 今まで記紀神話は政治宣伝文書と偉い学者さんはみんな言っていたのですが、これからはそれを気にしなくてよさそうです
 そもそも海外の学者は日本神話は生きている神話であると認識しているのに
 なんとなく「アインシュタインは間違っている」とか「米国政府はUFOの存在を隠している」と同じレベルなんだなと思いました
 文系って、トンデモが跋扈できるのね・・・
 とはいえ、この著者も我田引水な気が
 まるで韮澤さんと大槻キョージュの闘いのような・・・


■ 3/7(日) 武士道

 (新渡戸稲造著、岬龍一郎訳、PHP)
 五千円札のモデルにもなっている新渡戸稲造の有名な著書
 百年の時を経て再び注目されるとは、著者も驚いていることなのか
 それとも予想済みのことであろうか
 今この世には武士はなく、武士道もその意味では存在しない
 我々が、いかに武士道から学ぶことが出来るのか、それが大切なのであろう
 この本は背景がよく書かれている良著です
 日本人のみでなく、世界の人が今一度読むべき本でしょうね


■ 3/13(土) 四季 冬

 (森博嗣著、講談社)
 真賀田四季というのは人類の総合体(総合態)を意識したものだろうか
 彼女の設定は天才と言うものではない、人類そのものだ
 だから、彼女の最後の言葉は「神様、よくわかりませんでした」
 人類の最後の言葉に、確かにふさわしい


■ 3/14(日) The Lord of the Rings:王の帰還

 とうとう三部作が全部揃いました
 トールキンの最高の物語を、ジャクソンが最高の映像にしました
 この映画に言葉は要りません
 見よ、そして、感じよ


■ 3/15(月) 星座の神話 -星座史と星名の意味-

 (原恵著、恒星社厚生閣)
 星座と星の名の由来を細かに記しています
 一般用としては最高の部類に入るのではないでしょうか
 辞書代わりに是非一冊、と言う感じですね


■ 3/16(火) 田舎で起業!

 (田中淳夫著、平凡社新書閣)
 「田舎はベンチャービジネスの宝庫」との帯の言葉の通り
 この本を通してみれば、田舎都会というのは関係なく、状況把握と努力の方向というビジネス書にあるような事になってしまうわけです
 田舎にあっても努力する人は世事に明るく、都会にあっても漫然と過ごしている人は何も知らないに等しい
 筆者が足で稼いだ話題集ですが、示唆に富んでいます
 内容的には田舎での起業のことですが、実例を見れば都会の事業の中でもよく見受けられるものがいっぱいあります
 要は本質を見失わないこと
 いや、本質を見抜くというのが難しいのですね


■ 3/20(土) 日本人の壁

 (中山治著、洋泉社)
 心理学の五つの主要因子と言われている、
 外向性と内向性・愛着性と分離性・統制性と自然性・情動性と非情動性・遊戯性と現実性
 を日本人の国民性にまで展開して分析したものです
 筆者が言っていますが、これは試みであって合っているかどうかはこれから検証というところです
 なかなかよい分析のように思えます
 自分はそれなりに中山治氏に注目していますので、これからの展開に期待大です
 なるほど肯くところが多い
 この本と、後述する論語の本を合わせると、朧げながら何かが見えてくるような気がします


■ 3/21(日) 痛快!新論語学

 (孔健著、集英社インターナショナル)
 孔子第75代直系子孫の著者が語る、論語世界への招待状
 最近の世の中を見るに付け、若輩ながら憤懣やる方ない日常を過ごしていました
 ある日の東京出張にて、八重洲ブックセンターをふらふらしていると論語のコーナーを発見しました
 その中でも孔健氏が書かれていた本書が一番手っ取り早いと思って、購入したわけです
 そうか、論語を補助線にするとバブル崩壊とか失われた十年とかの説明が付くのか、と大きな発見でした
 中国では文化大革命の時の「批林批孔」により道徳の退廃を招きました
 日本ではGHQによる「批軍批孔」により、論語を習っていた最後の世代が引退した後、社会は崩壊しました
 今、日本を除き東洋世界は論語に回帰しているそうです
 60年前まで、誤訳はあるものの論語を保存していた日本、どこへ行くのでしょうか
 ではなく、我々が立て直さないといけないのですね
 なお、孔健氏の分析には一部違和感を感じるところもありますが、そこのところは前述の中山氏の本で補完できそうに思われます


■ 4/4(日) 現代人の論語

 (呉智英著、文藝春秋)
 論語の全五百章のうち五十章を取り上げて、講義風に書かれています
 論語の全部を通読するのは、そう簡単な事ではないでしょうが、これなら最低限の感覚はつかめるでしょう
 筆者の「はじめに」の最初のパラグラフをそのまま引用する、
 ”論語は、読まれざる古典である。 論語読みの論語知らずと言う諺がある。 論語の文章は読んでいるけれど、その精神がわかっていない、という意味だ。 しかし、そもそも論語は読まれてさえいない。 その精神を知る知らない以前に、誰も論語を読んでいないのである。”
 これで興味をもたれた方は読み進めるとよいでしょう
 この人は頭がいい、優れた最初の一節であります
 自分は論語はもっとつまらないものだと思っていました
 しかし、この本では論語の精神、孔子の情熱が生き生きと伝わってきます
 論語の私塾を開設するほど、論語、孔子に愛情を持っていた呉さん
 如何に論語、孔子が好きかが文章から伝わってくるではありませんか
 初学者から熟読者まで、是非目を通すべき一冊だと思います


■ 4/11(日) 迷宮百年の睡魔

 (森博嗣著、幻冬社)
 女王シリーズの続編です
 ミステリィというよりは、仮想未来世界の構築といった面に興味が注がれます
 ロボティクスと医療技術が100年ぐらいでそこまで成熟するものかどうか
 これもキャラ萌えですね


■ 4/18(日) 麦撃機の飛ぶ空

 (神林長平著、ヒヨコ舎)
 神林長平の描くSFショートショート
 SFショートショートといえば星新一ですが、神林氏が書くとこうなります
 神林世界の構築は、力強くそして切ない
 この触れたら壊れそうな世界の儚さが、神林氏の魅力
 ファンにはたまらないです


■ 4/29(木) 「わかりやすい説明」の技術

 (藤沢晃治著、講談社 BLUE BACKS)
 最近サービス部門に移籍になったため、他人に説明する場面が増えました
 部長にもいろいろ言われる今日この頃
 表現の入門書ってのはいいですね
 悩んでいる人にはよい一冊です


■ 5/5(水) 膚の下

 (神林長平著、早川書房)
 機械人との月戦争により人類は月と海の一部を失い、地球は人類の生存に不適な星となりつつあった
 国連は人類の全てを火星に移住・凍眠させ、その間機械人に地球の復興を委ねることとした
 その間250年。しかし・・・
 神林世界の長い幕開け、684ページの世界の中にあなたは何を見るか
 主旋律はファンタジーです。紛れもなく
 しかし、いくつかの副旋律は濃いです
 お前は何者か
 読者はこの問いを感じることとなるでしょう


■ 5/9(日) 「分かりやすい表現」の技術

 (藤沢晃治著、講談社 BLUE BACKS)
 「分かりやすい説明」の技術の一つ前の本です
 これも基本編としてやさしくまとまっています
 他人に説明することの重要性はひしひし感じています
 こういった本を読んでも実際にちゃんとやらないと意味がないので、努力努力


■ 5/23(日) 「分かりやすい文章」の技術

 (藤沢晃治著、講談社 BLUE BACKS)
 「分かりやすい説明」の技術の3つ目
 国語の授業で、もう少し実務文の書き方を習ったらよかったと思います
 高校生向きの副読本として役に立ちそう
 国語教育の問題点を突いている本なのでしょうかね


■ 5/30(日) 帝王の殻

 (神林長平著、ハヤカワ文庫)
 未来の火星。人々はPABといわれるパーソナル人工脳を所有するようになっていた。 PABの開発企業の長、火星の帝王ともいえる人物の死から全ては始まった・・・
 神林長平の火星三部作の第二作目になります。第一作「あなたの魂に安らぎあれ」、第三作「膚の下」も併せて読むと、神林世界の広く深いさまを見ることができるでしょう
 機械知性、人間の魂、父子の愛憎
 読者はこの世界に何を見るのか、奥が深い作品です


■ 6/6(日) アウトニア王国人類戦記録1 でたまか 黄昏落日篇

 (鷹見一幸著、角川スニーカー文庫)
 マガザン帝国との全面対決をなんとか制し、かりそめの平和が訪れたと見えたその時、 銀河辺境ではとんでもないことが起こっていた
 エイリアンが人類領域に侵攻してきたのだ
 圧倒的な数の前になすすべもなく敗退するローデス軍
 そしてエイリアンの進路にはマイドたちがいた・・・
 でたまかシリーズの第3幕が開始しましたが、のっけから危機です
 しかも主人公は今回逃げるだけ、というか逃げ切れるのか?
 SFファンタジーに週刊漫画のように引きを作って放置する、この作家のいたずら心に乾杯(笑)


■ 6/12(土) アウトニア王国拾遺録 でたまか 青雲立志篇

 (鷹見一幸著、角川スニーカー文庫)
 「でたまか」の外伝です
 本編の登場人物を描いた短編が5つ

 ところで「でたまか」をご都合主義だといって非難する人がいるのですが、 ファンタジーからご都合主義を取ったら何が残るというのでしょう
 まあ、ファンタジーも程度が過ぎれば違和感を感じるでしょうが、 この作家は上手いと思いますよ
 読書は個人的な趣味なので、本の評価というのは難しいものですが
 そもそも本の評価なんて出来るのかな、と思ったり・・・


■ 6/13(日) 上司は思いつきでものを言う

 (橋本治著、集英社新書)
 最初は「何だこのタイトルは」と思って手が出ませんでした
 橋本さんの著書は面白いのですが、飛躍が多いのが難点とも言えます。
 まあ、そこが味なのですが
 さて「上司は思いつきでものを言う」とは、サラリーマン社会を一言で表していて、 しかもサラリーマン社会だけでなく、その他の仕組みを言い表すよい一言に思えます
 題だけ読んで「そうそう上司って・・・」と思う人がいるかもしれませんが、 それだけでは終わらない内容を含んでいます
 「上司」と書いて親、配偶者、外国とか読むのもありです
 あるいは豆知識としても役に立つかもしれません、居酒屋で使うような・・・
 ともあれ、読んで損のない本だと思います。論理展開についていけない人がいるかもしれませんが・・・


■ 6/20(日) 我語りて世界あり

 (神林長平著、ハヤカワ文庫)
 それぞれが名を失った世界
 この世界で三人の少年少女だけが名前を持ち、武器塚といわれる遺跡から戦闘情報を集めてゲームを楽しんでいた
 猫の姿をした意識体、”わたし”と名乗る意識体
 彼らの出現でその世界はゆっくりと変質を始める
 神林流の不思議な展開があなたを異世界に誘います


■ 7/4(日) ニッポンは面白いか

 (選書メチエ編集部編、講談社選書メチエ)
 20人の外国人が日本について語ります
 これらの問題は日本人は意識していますが、あまり話題にはのぼらないものです
 外国の人の視点ですから全てが正しいとは言いがたいですが、ある程度の参考にはなりそうです
 論者が偏っているような気もしないではないですが・・・


■ 7/11(日) 論語(上)

 (吉川幸次郎著、朝日選書)
 論語全二十篇のうち半分の十篇の解説書
 論語についてはみなさんご存知なので特に語ることはないです
 戦後すぐに出版された論語の解説書で、当時としてはとてもくだけた解説で驚かれたそうです
 今読むと普通の解説書に見えるのですが、論語はもっと厳粛なものと考えられていたのでしょうかね


■ 7/18(日) クロスカディア5 月眠ル地ノ反逆者タチ

 (神坂一著、富士見ファンタジア文庫)
 クロスカディアの5巻目
 主人公の一行は東の大陸で、月に住まう神へのゲートを目指して進みます
 しかし、立ちはだかるはいろんな種族氏族
 果たして無事に神のもとに辿り着けるのか、そして辿り着いて何が出来るのか
 という感じのファンタジー
 この作者の本領はギャグにあり
 あとがきにいつも力を入れてますね
 そろそろ風呂敷をたたみ始めているのか、次の巻がクライマックスとなりそう


■ 9/1(水) でたまか アウトニア王国人類戦記録2 霜降暗夜篇

 (鷹見一幸著、スニーカー文庫)
 「でたまか」としては11巻目になります
 非人類異星体との絶望的な戦争第2回目といったところでしょうか
 前回に続いてエイリアンの侵略は続きます、というか前回より強くなってます
 人類の版図の半分を統治するローデスの完全崩壊まで、このままでは後半年
 その後に残される、やはり人類版図の残り半分を統治する帝国もただでは済まない
 それぞれの登場人物はどのように行動するのか
 強大で大量のエイリアンに攻められる図は「インディペンデンスデイ」そっくりともいえます
 エイリアンをイナゴに例えるところも同じ
 しかし、敵の強さが半端じゃない
 犠牲者の数が数行の描写で数百億というのも「ダーティーペア」ばりです
 作品中にいろいろなギミックが隠してあります
 そういうところが楽しいかも


■ 9/20(月) ダーティーペアの大復活

 (高千穂遙著、早川書房)
 高千穂遙さん、懐かしくもダーティーペアを復活させました
 男性作家がライトノベル(昔はそんな呼称なかったのですが・・・)を、若い女性の一人称で書くということを行った最初の人だったと思います
 トラブルシューターのはずなのに、結果はいつも悲惨なコードネーム「ラブリーエンゼル」、通称ダーティーペア
 20年前、読み始めた最初はユリ・ケイのコンビに心情的に近かったのです
 しかし、今や上司のソラナカ部長に憐れみを感じるのは歳を取ったせいでしょうか
 今回は作者遊んでいます
 遊びすぎでこちらが心配するほどですが、大きなお世話ですかね
 時代は変わってしまったなぁ、と感慨もひとしおです
 巻末の著者近影が、ある意味今回一番すごかったかも(^^;


■ 9/23(木) 愛するということ

 (エーリッヒ・フロム著、鈴木晶訳、紀伊國屋書店)
 この本が最初に出版されたのは1956年
 愛についての考察が書かれています
 フロムはフロイトの弟子ですが、フロイトとは別の切り口で愛を語っています
 簡潔に言うと師匠の思想に納得いかなくて新派を立ち上げたって事ですが・・・
 世に出てから半世紀経ちましたが、内容は色褪せませんね
 むしろ世の中の方がフロムの理想からどんどん離れているといった感じですが
 よい本です。一読をお薦めします


■ 9/26(日) 捏造された昭和史

 (黄文雄著、ワック出版)
 1997年に出版されたものを改訂改題したものということで、7年前の著書
 台湾の方のようです
 日本及び東アジア、全世界の近代史はなかなか一筋縄ではいかないのですが
 玉石混交の出版物の中から、近代史とは何かを個人だけで判断するのはもはや不可能に近いと思います
 その人がどの社会背景に生きているかも絡みますからね
 唯一逃れ得る方法は、とにかく情報を確保することくらいでしょうか
 この本もなるほどよい事が書かれていますので一読をお薦めします  ただ果たしてこれでいいかどうかはわかりませんので各人でお考え下さい
 世界はずっと謀略ともいえる嵐の中で動いていますが、日本はこれからも生きていけるのでしょうか
 ある意味心配になりますよね


■ 10/3(日) 属国日本史 幕末編

 (副島隆彦、ロシナンテ青木画、早月堂書房)
 属国日本論の副島氏、劇画で幕末編を描きます
 何故尊王攘夷が開国に変わったのか、その解説を試みています
 まあ、ありがちな話ですね
 副島氏、「ラストサムライ」と「ダンスウィズウルヴス」を比較すれば西洋人が何を考えているかわかるとの事
 西洋人にとっては東洋人も同じ原住民ということでしょうね
 まあ、見事に西洋人に邪魔な勢力や人物は消されていますから、こういう結論もありかなと

 そういえばこの前民放で、織田信長はイエズス会の軍事援助で日本統一の半ばまで行ったものの、 コントロールを離れようとしたので本能寺で暗殺。明智光秀では以降の中国大陸進出まで統率できないと判断し、 見捨てて羽柴秀吉を以降の操り人形に、ってところをやってました
 民放もなかなか面白い資料をお茶の間に披露しましたね
 そうすると日本は都合三度も西洋人に操られて大陸進出したって事ですか
 うらまれるは日本ばかり
 割りに合いませんね


■ 10/20(水) ナショナリズム -名著でたどる日本思想入門

 (浅羽通明著、ちくま新書)
 日本のナショナリズムってどのようなものでしょうか
 わかっているようで、でもよくわからないナショナリズム
 近代日本でのナショナリズムの勃興から現状までの解説を試みています
 ナショナリズムに賛成の人も反対の人も一読の書です


■ 10/31(日) スレイヤーズすぺしゃる23 ブレイク・オブ・ディスティニー

 (神坂一著、富士見ファンタジア文庫)
 何回も言うようですが友人R氏はリナと似ています
 非常に能力が高い、はっきり言って賢いです
 負けず嫌いで、挑戦されたら後に引きません
 見た目が若く、子供と間違われます
 ・・・そして周りの人間が役に立たない。難題は全て彼女に行きます・・・
 さらに相棒もガウリー並、友人もナーガ並に変わっています・・・
 あの・・・Rさん強く生きてください・・・


■ 11/4(木) <私>の愛国心

 (香山リカ著、ちくま新書)
 精神科医の視点から見た現代日本の問題点を語っています
 ただ、単位を個人から国家に敷衍する時は、合っているのか違っているのかよくわかりません
 国家や個人が善意ではなく、わかっていて悪の道を歩む時の事は想定してないのでしょうか
 面白いことに、浅羽通明氏と批評のピンポンをしているのではないか、と思われる箇所があります
 しばらくこの二人を観察するのも面白いかもしれません
 ちょっと疑問に思うところもありますが、専門家らしく鋭い視点もあるので注目です


■ 11/7(日) アナーキズム -名著でたどる日本思想入門

 (浅羽通明著、ちくま新書)
 「ナショナリズム」の姉妹作品です
 世の中にはすごい人がいるのだな、と感嘆します
 あ、著者もすごいですけど、アナーキスト達がすごいという意味です
 キャプテンハーロックはアナーキズムとの視点は目から鱗です
 これが入っているだけで、買った甲斐があったと思います(笑)
 いわゆる真面目な書物だとアニメを取り上げるなんてやらないので面白いです
 この本でも香山さんが出てきますが、彼女との違いははっきりしてますね
 一つは小林よしのり氏を認めないか、あれもありだとある意味認めるかでしょうか
 また、香山さんは浅羽氏を否定的に見ているように感じますが、一方浅羽氏は、 香山さんの主張を認めながら、そうするとこういう見方もできるね、という感じの主張の仕方のように 見えます
 専門的なレベルになると断然香山さんの方に軍配が上がるのでしょうが、 読み比べると、なんとなく浅羽氏の方が包括的になっているように感じます
 ちょっと贔屓目でしょうか?


■ 11/15(月) はじめての構造主義

 (橋爪大三郎著、講談社現代新書)
 橋爪先生の1988年の著書です
 昭和の本ですね
 中高生にもわかりやすくの視点で書かれてるので、理系の私にも非常に分かりやすい
 レヴィ=ストロース万歳!
 フランス人って賢いですね


■ 12/5(日) 近代法への歩み ドイツ法史を中心にして

 (H・コーイング著、久保正幡・村上淳一訳、東京大学出版会)
 ドイツの法律の歴史について書かれた本です
 なんでこんな本を持っているかというと、部長から貰ったからです
 まったくの教科書です(苦笑)


■ 12/12(日) 文明論之概略

 (福沢諭吉著、松沢弘陽校注、岩波文庫)
 明治の時代、日本の近代化の真髄はこういった頭脳から出ています
 福沢諭吉に代表される人々の努力で、近現代の日本の姿があると言ってもよいでしょう
 福沢の「文明とは独立」との思想を理解した人は、果たしてどれくらいいるか
 日本は福沢の考える文明国となったか
 我々の力量も試されているといえるでしょう

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