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2016年7月25日 (月)

田原総一朗「私が見た日本の転機」からの雑感

 7月17日のNHKラジオで田原総一朗氏の「私が見た日本の転機」を聞いて雑感。
 戦後レジームからの脱却を唱えていた安倍首相が、靖国参拝の時アメリカの「失望」を聞いて方針を変更したことがありました。安倍首相は以降戦後レジームからの脱却に言及しなくなりました。
 これを聞いて思ったこと。

戦後レジームからの脱却の行方

 2012年安倍内閣は戦後レジームからの脱却を主張していました。
 しかしながら2013年の安倍総理の靖国神社参拝に対して米国が「失望」の表現を使いました。
 米国にとって日本との戦争は正義の戦いであったので、米国が裁いたA級戦犯を無罪とする主張に対して否定的見解を示したのです。
 これ以降安倍内閣は戦後レジームからの脱却について主張することはなくなりました
 そして2015年米国議会演説で日本の無罪の主張を取り下げ過去の戦争を謝罪することで万雷の拍手を受けることになります。
 安倍総理にとっては皮肉な事となりましたが。

正義は並立させるのは難しい

 この事象は戦後世界の正当性によって生じるものでかなり複雑になってきているようです。
 先の例の様に日本が自国の正義を主張すると、日本(を含む枢軸国)を悪として戦った米国(及びその他の連合国)の正当性に挑戦することになるので、米国は反発することになります。
 悪である日本を正義である米国がついに倒したという物語が戦後米国の誇りなのです。
 同じことは他のABCD諸国、英国、中国、オランダの国の物語として語られます。
 特に中国は建国の根本として日本を倒したことになっています(注:中華人民共和国の建国は1949年)。
 同様に韓国北朝鮮も建国の理念として日本を倒したことになっています(注:韓国、北朝鮮の成立は1948年)。
 ソ連も同じく日本を倒して北方領土を戦い取ったという立場です。
 だからというべきか、日本が自らの正義を主張すると戦勝諸国の正当性に傷をつけることになり大いに反発するのです。
 日本が日本の立場を表明すると、戦勝諸国は歴史修正主義とか反省していないとか必ず言います。
 そうなのです、日本が悪でないと自らの正当性が揺らぐからです。
 逆に言うと自らが正義であるためには日本は悪である必要があるのです。
 戦後レジームからの脱却、すなわち東京裁判で事後法によって裁かれたA級戦犯他を無罪とすることは、この様な難しさを含んでいるのです。

自分だけは正義だ~世界市民

 日本を悪と考えるのは何も外国人だけではありません。
 日本が悪であると信じて外国に認めてもらおうという人もいます。
 これが世界市民です。
 世界市民は、日本人のままでは外国人に悪として扱われ人間扱いされないのを嫌い、同胞である日本人を非難することで戦勝諸国の人に協力し、人間と認められるように振る舞うことにした人々です。
 したがって、決定的に世界市民と日本人の相性は悪い。
 更に世界市民は戦勝国民と同じ物語を共有しているので、自分たちこそが世界標準であり、罪を認めない愚昧な日本人を指導する権利と義務がある、と思い込んでいる節があったりします。
 溝は深いです。

果たして他国を悪にした自国の正当性は堅固か

 日本側から見るとひどい話なのですが、さて、他国を悪とした自国の正当性はしっかりとしたものなのでしょうか。
 中国韓国をみると少し疑問に思います。
 これらは「悪日本を倒した」ことを正統の礎にしている国です。
 政権の正統が揺らぐと日本たたきを行うのは単なるガス抜きではなく、日本が悪でないと困るからでもあります。
 実際には日本が悪ではないことを我々は知っていますから、これらの国は存立が幻想の上に成り立っている、基盤がかなり危うい国であることが想像できます。
 大日本帝国が鬼畜米英と言って戦いそして敗れた時の虚脱感は、別に日本特有のものではないと言っておきましょう。

自国の誇りを維持しながら、不毛な努力を避ける

 今回の記事は結論めいたものを書きません。
 日本の正義は誇ることはできますが、日本から自慢するものではありません。
 戦勝諸国その他は、日本が悪という前提で歴史を語りますが別にそれが正しい歴史というわけではありません。

 自国の誇りを他国の正義で見失うことのないように、
 他国の正義を否定するために自国の自慢を行うことのないように、
 他国は決して自らの正義を捨てないので、議論で勝とうとして不毛な努力をすることのないように。

 これで何かが解決するわけではありません。
 しかし、あなたが他国から責められたり、他国から利用されそうになった際には役に立つかもしれません。

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