「貨幣システムの世界史 <非対称性>をよむ」(黒田明伸)
貨幣とは何か。
貨幣と市場の複雑で多層的な世界を<非対称性>という概念を手がかりに読み解きます。
序章で異なる種類の貨幣は一見相場で計算できるように見えるけれど実際には合算は無理だと述べています。通過の流通の仕方も一様ではないと。
第一章ではマリア・テレジア銀貨がアフリカ地域で用いられてきた様相について。
第二章では貨幣と世界史について。
第三章では近世インドと中国の貨幣制度の複雑さについて。
第四章ではその伝統中国の貨幣経済について。
第五章ではその伝統中国の銅銭が東南アジアや日本でどのように扱われたかを。
第六章では、伝統中国と近世日本の社会の差が貨幣の流動性にどのような差異として現れたかを。
第七章で、近代の一国一通貨原則の浸透がどのような世界を作り出すかを、それぞれ述べています。
マクロ経済学とかミクロ経済学とか、そういったものとは違った視点で面白い本でした。
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