「ギリシア人の物語III 新しき力」(塩野七海)
ギリシア人の物語も第3巻目、最後の作品になります。
ソクラテス、プラトン、アリストテレスと続き、時代は次の段階へと進みます。
アテネ、スパルタといったギリシャの強国は衰退し、マケドニアのフィリッポスが新時代の扉を開けます。
そして登場するアレクサンドロス大王。
ギリシャの盟主としてペルシャを打ち破り、遠くインダス川地方まで遠征します。
しかし、時代はアレクサンドロスには早すぎ、征途は彼の兵士には遠すぎました。
そして親友や股肱の臣を失う中で、彼自身も病に倒れます。
壮大な版図を築きながら、ギリシャはまた歴史の中に去っていくのでした。
ローマ、地中海世界、中世の英雄と呼ばれる人、英雄と呼ぶべき人を描きながら、このギリシャも魅力的に描いた塩野さん。
この空前絶後の歴史小説群は、しばらくは追随を許さないだろうと思われます。
本当にお疲れさまでした。
そしてこの一連の物語を書いていただいてありがとうございました。
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