「キミのお金はどこに消えるのか」(井上純一)
「中国嫁日記」の井上さんが描いたお金の漫画。
ジンサンと月(ユエ)さんの会話劇で経済のお話をします。
見る前は正直「大丈夫か?」と思っていましたが、大丈夫でした。
企画・協力のアル・シャードさんとのコンビ、そして明治大学の飯田先生の監修ということもあっていい感じで面白い本になっています。
単なる学習漫画じゃ面白くないですものね(p.162)。
あとこの本の肝はここだと思います。
(1)公共事業をちゃんとやる
(2)公務員を増やす
(3)教育、医療に使うお金を増やす
(4)消費税を下げる
(5)上記の財源は国債でまかなう
(p.115)
奥さんの月さんが中国の人だからというのもあって、中国の経済成長との比較がなかなかシビアに語られます。
この本ではないのですが、NHKカルチャーラジオ 歴史再発見 思想史の中のマルクス―資本主義はどこへゆくのか(2014年放送)を聞き直していて、冷戦時代西側社会は東側の社会政策を取り入れることで労働環境を改善していたが、ソビエト崩壊で労働者のことを考える必要がなくなったため、その後むき出しの資本主義が現れてしまった。今まさにマルクスの時代の労働環境の悲惨さが再現されている、という感じの話が出ていました。
今中国は公共事業を盛んにし教育や研究開発に多額の資金をつぎ込んでいます。
ざっくり言えば、日本は中国のこういうところを真似すればいいのです。
北欧のように消費税20%にしようという真似はしなくていいのです。
少なくとも、お金ってこう考えることもできるんだ、という人には向いています。
ちなみに飯田泰之准教授は内閣府規制改革推進会議委員です。
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