「寺田寅彦」(小山慶太)
~漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学
寺田寅彦は明治から昭和にかけての物理学者で随筆も多数残した文理にまたがる天才です。
寅彦は熊本で夏目漱石に師事してから生涯ずっと漱石と共にありました。
寅彦の活躍した時代は物理学の転換期で、古典物理学から相対論や量子論に移ろうとする時代でした。
その中にあって寅彦は古典物理学を頑なに守っていました。
その物理学は本当に日本的なものを突き詰めているという感じです。
漱石の小説吾輩は猫であるで唯一の常識人である水島寒月のモデルが寅彦だと言われています。
そうした寅彦のエピソードを小山先生が語ります。
「ねえ君、不思議だと思いませんか?」
そんな寅彦の言葉がよく響きます。
それにしても寅彦を書く小山先生のまなざしの優しさが感じられる本です。
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