「一週間はなぜ7日になったのか」(柳谷晃)
そういえばなぜ一週間は7日なんでしょうね。神様が6日で世界を作って7日目をお休みにしたから?。いえいえそれは順番が逆のようです。おそらく一か月が約29.5日、その4分の1は約7日、その単位で時間を把握していたということなのでしょう。日本でも朔、上弦、望、下弦という呼び方がありますよね。
また、日本では2は割り切れる数だから凶数で、包みには2で割り切れる枚数のお札を入れませんよね。3は世界のどこでも吉数で、三位一体とか三方を敬えとかそんな使い方をされます。4は日本では凶数ですが、西洋では4元素とかあります。東洋では5は五行とかで吉数になりますね。西洋も東洋も奇数が好まれ偶数はあまり好まれないのが面白い。
そんな感じで数を考えた時、数字を重んじたピタゴラス派の人たちにとって3と4の組み合わせが重要なのでした。3と4を足した7とかけた12は今でも重要な場面で使われています。一週間は7日で1年は12か月。偶然とはいえなかなか。
表題の謎解きの他、位取り記数法などのインド、アラビアで発達した数学が、その後カノッサの屈辱に遠因がある十字軍の遠征により西欧にもたらされ、長足の進歩を遂げるというのは歴史ロマンとも言えます。さらに、ローマ教皇庁が自分たちは最新数学・科学を取り入れながら、信者にはそれを禁止し、時には火あぶりまでするというダブルスタンダードぶりには、さすがカトリック兄さんとしか言えません。アラビア数学を導入しないとグレゴリオ暦なんてできませんね、確かに。
このような面白い話題が1冊の中に詰まったお得な本です。
さすが早稲田の先生。
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