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2021年7月23日 (金)

「竜とそばかすの姫」(ネタバレ)

 「竜とそばかすの姫」、2回目はIMAXで見てきました。
 うん、この映画は映画館で、特にIMAXのような音響が優れたところで見るべきと思います。

 細田監督の3年ぶりの劇場映画で前作は「未来のミライ」。
 「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」とたくさん出ましたが、それぞれが人気の作品です。
 もちろんそれぞれの作品で賛否を言う人がいますが、これだけ連続で質の良い作品を作れるのは少ないでしょう。
 特に前作の未来のミライが賛否が分かれたため、今回のには期待と不安が囁かれていました。
 そして今作も賛否は別れましたが、かなり評価が高いのではないでしょうか。

 リアルパートの映像、Uパートの映像、中村さんの歌声、全てよかったです。
 気に入ったので2回目行ったくらいですからね。

 さて、以下ネタバレです。

 1回目見終わった時、ああこれは文句を言う人が出てくるだろうなと思いました。
 普通だったら取るべきではない状況が3つありました。

 一つ目、すずの母親のレスキュー失敗。
 作中でも無謀、幼い娘を残して無責任とかいろいろ言われていましたが、見た人からも母親の行動はないんじゃないかという声が聞こえています。

 二つ目、ベルのアンベイル。
 作中でも、ヒロちゃんをはじめ止めようとする人が出ました。見た人からもアンベイルの必要性に疑問を呈する人がいました。

 三つ目、単独の救援。
 作中では心配する声はありましたが、止める人より支援する人の方があったとおもいます。しかし見た人からはここが一番あり得ないという声が多かったです。大人がエスコートしていくものだろう、少なくとも忍くんは一緒に行ってあげろ、父親はなぜこんな無謀を許しているんだと。

 評価が低い人にとっておそらくこれが気持ちが入れなかった主要因ではないかと思っています。
 ああ、映像がとか声優がとか歌がとか美女と野獣がとか気になった人もけっこういたかと思いますが、そこは合う合わないの話かと思いますので、それはそれぞれの感性なので、ごめんなさい。

 上の3つの仕掛けとも絡みますが、別の仕掛けとして「子供と大人の対立」があります。
 そして、すずはこの作品で子供と大人の間の立ち位置にあります。
 そして一番大事なことは、この作品で「大人は役に立たない場面を作っている」です。

 すずは父親と関係を修復できていません。
 忍くんはすずの母親役(大水の後、すずの手を握ることによりすずの母親を継承した。ルカちゃんも気が付いている)ですが、父親同様素直になれません。

 まず竜に関して、子供は竜に同情的ですが、大人は竜に否定的で、子供の擁護にも攻撃しに行きます。
 竜の救済に関して大人は役に立っていません。というより正義を叫ぶジャスティンを支持しています。

 大水のシーン、子供が中州に取り残されますが、大人は誰も動きません(後で救助しています)。
 このためすずは母親を喪います。

 アンベイルのシーン、ヒロちゃんを含めほとんどの人が否定的ですが、忍くんは背中を押します。
 ここから忍くんの立ち位置が変わってきます。その前の「お前ベルだろ」からかもしれません。

 DV親のシーン、ケイくんによってそれまでの大人の救援がことごとく失敗したことが語られます。オバサンズが通報しますが、行政は無力です(すなわちオバサンズでも無力)。
 ただ、東京行きへはオバサンズは支援してくれて、忍くんも認めてくれます。

 この様に、この物語は大人が解決する問題ではないのです。
 なので、子供の側に立ったものが聖者にならざるを得ないのです。
 すずの母親は、それで命を失いました。
 すずも、Uでのオリジナル表明で地位を失ったことでしょう。
 そして最後、東京行きでは得られるか喪うか、それは物語の装置なのです。
 ご都合主義という人もいますが、たくさん失った後に希望の光が残ったのです。
 もう一つ、すずの母親が成し得なかったことを、すずが今度は成功させようとするのです。
 理不尽に対する敵討ち、そして母親への鎮魂。

 それはすず一人である必要があるのです。
 だからオバサンズも忍くんも同行しなかった。

 このあとどうすんねんという声もありますが、それは見る人の想像に任せられています。
 そんなにいい加減なものにはならないと思います。

 DV親のフェイクという問題は、フェイクおばさんの実態をヒロちゃんが暴くことで自然に類推されるようにできています。
 映像が流れた時、見た人はああやっぱりと思ったことでしょう。

 最後に、すずの決意を見てDV父がひるみます。
 ベルが正体を現しすずになって歌った後、ジャスティンはスポンサーから見放されます。
 大人が子供(というか子供の守護者であるすず)に敗北するのです。
 これがテーマの核だと思います。

 終わりに小ネタ。
 オバサンズの一人が、昔男の子のために歌をうたったというくだりがあります。
 つき合ったのという問いに、まさか中二の男の子よと流すのです。
 これってベルと竜の相似形ですよね。

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