月の音色 第208回
昨日5/30は「大原さやか朗読ラジオ 月の音色~radio for your pleasure tomorrow~」の第208回配信でした。
https://www.onsen.ag/program/tsukinone/
今回は文学館でしたが選ばれませんでした(笑)。
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本日も読まれなかった昔の投稿作品をちょっと。
<私をくるむもの>
私は意思を持つ剣、いわゆる魔剣ね。
私の世界には悪い魔女がいるのだけれど、その魔女を倒すには魔剣が必要なの。
これまで多くの勇者が私のところに来た、けれども誰も私を持ち上げられなかったの。
私が奉納されて百年・・・いや二百年くらいは経ったかしら、やっと私を持ち上げられる人が現れた。
さあ、魔女退治よ。
早速勇者と私は魔女が住む古城に向かった。
城の大広間に入ると忽然と魔女が現れた。
さあ、私の出番よ。
勇者が私をくるむ聖なる布を取ると、私の体から光が迸る。
そう、私は光の魔剣。
私の光り輝く力で魔女は倒された。
再び聖なる布をまとって勇者と共に街に戻る。
歓声の中勇者が小声で尋ねた。
「なぜ今まで誰もあなたを持ち上げられなかったの?
そんなに重くないよね?」
「え?
それは今までずっと男の勇者ばかりだったからよ。
男の人の前で裸になるのは・・・ほら・・・恥ずかしいじゃない」
女勇者が微妙な顔を見せたのはなぜかしら?
<end>
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