月の音色 第210回
本日は「大原さやか朗読ラジオ 月の音色~radio for your pleasure tomorrow~」の第210回配信でした。
https://www.onsen.ag/program/tsukinone/
月の文学館のお題は「スタンプカード」。
今回も読まれませんでしたが、みなさん上手ですねえ。
そして飯テロの朗読先品。。。
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今回も過去の読まれなかった作品を。
2020年2月投稿分です。
<おまもり>
先週の試験はさんざんだった。
特に英語は赤点、明日追試である。
放課後とぼとぼと部室へ向かうと部長に声をかけられた。
「あなた、英語追試だそうね」
何故部長が俺のテストの点を知っているんだ。
「追試でも赤点だった部員が出た部は来年の予算が削られるの」
俺のせいにされても困る。
「あなたにお守りをあげるわ」
部長は青い石を渡してくれた。
「がんばるのよ」
翌日、補習室でテストを解いていると、何か頭にささやきかけてくる気がした。
次の週、無事追試はクリアした。
俺は部長にあの石と謎の声のことを訊ねた。
「あれは石の中に宿る悪魔の声らしいの。テストの答えを教えてくれる」
それじゃカンニングし放題じゃないか。
「でもね、3回以上使うと中の悪魔に心を乗っ取られるらしいの。今まで2回使った人はいないようね。次赤点だったらまた貸すわよ」
にっこり微笑む部長に俺は黙って石を返した。
そんな恐ろしそうなもの、二度と使いたくないです。
<eof>
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