月の音色 月の文学館 過去分
「大原さやか朗読ラジオ 月の音色~radio for your pleasure tomorrow~」の月の文学館に投稿した過去分です。
第152回、2020年4月6日で読んでいただきました。
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「満ちる」
そこは白く広がる花畑
その中に輝く泉がありました。
その泉の水を
せっせと妖精たちが
花畑の縁にある塔の中に運んでいるのでした。
中にはさぼって昼寝をしている子もいますが
気が付いた仲間に怒られて渋々運んでいます。
さて、そろそろ泉の水が塔に満ちるようです。
妖精のリーダーが厳かに告げます。
「さあ季節よ、世界に届け」
すると、塔の水が花畑の周囲の水路に流れ込みます。
水が花畑を一周すると
鈴の音が鳴り
白かった花畑が桜色に、赤に青に黄に色を変えていくのでした。
これが季節の移り変わり。
春の妖精たちは今年も世界に彩を与えてくれるのです。
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