無理だった話
よく中国や韓国が日本を嫌うのは、大日本帝国時代に併合したり攻め入ったりしたからだという話を聞く。
しかし、世界史的に見るとそういう歴史を辿っても日中韓ほどいがみ合っていなかったりするところもあるし、その反対に日中韓が平和に見えるほどひどいことになっているところもある。
どうもそう簡単な話ではないようだ。
そうではなく、日中韓がここまでいがみ合っていなかったら、日韓併合はそのままうまく行っていて、中国大陸の方も話がまとまってということになったのかもしれない。ありえない世界線だが。
もしかしたら、日本は韓国や中国とも仲良くなれるし、富国強兵を見せたら尊敬してくれるかもしれないと、そういう夢を見ていたのではないかと思っている。
その後の歴史を見るならば、日韓併合は敗着だし、満州事変、支那事変は軍事上の無駄ということが見て取れる。
中国や韓国が日本と仲良くなろうという気があまりないから、日韓併合や支那事変のことをいつまでも言うのであって、日本が謝ったら仲良くなれるという人びとは、たぶんわかっていない。中国韓国以外に日本と戦った国は歴史を忘れないまでも、脇に置いて話をしているのとはだいぶ違う。
逆に言うと、韓流ブームが日本でどれだけ人気になっても、中国の経済が日本を超えるようになっても、韓国、中国の人が思うほど日本は中韓を尊敬しない。
中韓の人は不思議に思うだろうが、それは大日本帝国時代に中韓の人が日本を特に尊敬していなかったのとそんなに変わらないのである。
日本の中で、中国や韓国に寄り添った言動をすれば日本は尊敬され仲良くなれるという考えの人がいるが、それは無理な話なのだ。
また、中韓の方で日本に圧倒する力を見せれば日本が尊敬してくれると思っている人がいるが、それもまた無理な話なのである。
二千年以上の歴史があるのだから、そうは変わらない。
« 月の音色 第212回 | トップページ | 「歴史とは靴である 17歳の特別教室」(磯田道史) »
コメント