「江戸幕府の北方防衛」(中村恵子)
本書では北海道が室町時代から開拓が始まり、江戸時代に入ると松前藩を通じてアイヌと和人が共同で北海道を経営していたことが語られます。先史時代にもいろいろな遺跡や遺物があり本土と密な関係があったことがうかがわれます。北海道の歴史は大変なものであり、特に幕末の北方防衛、経営については各藩が大変な苦労をしたことが語られます。
そんな北海道は黒船のずっと前、19世紀初頭から既にロシアの侵略を受けています。軍事力だけではなく、アイヌを懐柔して赤蝦夷(ロシア)になびかせて日本の影響力を削ぐ方法も使われていました。さすがおそロシア。
ソ連は終戦時も中立条約を破って千島樺太方面に侵略、あわや北海道まで侵略される前になんとか終わらせましたが、千島樺太は占領されたままです。
そんな北海道ですが、21世紀の今、ソフト戦略が展開されています。北海道内で江戸時代は松前藩の名前はなくアイヌの時代とされてしまっています。和人の歴史は無視されています。教科書でも江戸時代の北海道はアイヌのものとされているようです。松前藩どこ行った。著者が北海道庁や文部省に抗議をしてもろくな返事はないそうです。
さらに日本ハムが《北海道は開拓者の大地だ》という広告を出すと、アイヌ協会がこれに反対したという。
C国は北海道の土地をたくさん購入しているというし、プーチンはアイヌはロシアの先住民族だという。ロシアは北海道もロシアに組み込もうとしている。
江戸時代末期に北方の幕府が苦労して防衛した北海道。その歴史を書いた本です。
一度読んでみることをお薦めします。
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