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2023年2月 3日 (金)

「経済で読み解く豊臣秀吉」(上念司)

~東アジアの貿易メカニズムを「貨幣制度」から検証する

 豊臣秀吉の時代を経済の観点から述べた本になります。
 室町末期から織豊時代の貨幣制度や東アジアの貿易メカニズムについて解説していきます。
 秀吉といえば太閤検地ですが、これは石高の見える化というもので、属人的属地的な感覚だった年貢をデジタル化することで領地の取替をしやすくして豊臣政権の強化につなげるという、脱室町なことをやっていたんですね。
 また、信長も秀吉もヨーロッパのアジア侵攻には神経を尖らせていたようで、最終的にはキリシタンを使った日本侵攻を退けることになります。
 ただ、ヨーロッパに対抗するためには海路マニラ方面を衝いて海上制圧を行うべきだったのですが、水軍(海軍)より陸軍を重視した結果、明、朝鮮方面を攻めてしまったのは失策だったのでしょう。
 また信長が進めていた貨幣経済から米経済へ転換してしまったのは、貨幣流通の問題があったとはいえその後の江戸時代を縛ることになってしまい、経済成長を押さえつけることになってしまって惜しかったですね。
 そんな感じでなかなか面白い本でした。

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コメント

戦国時代の経済に着目するとは、とても面白い視点ですね。世界史の側からみると、この時期の石見銀山からの大量の銀貨が西欧に流入して、大きな変化をもたらしています。黄金の国ジパングの実態は、金ではなく銀が主体であったようです。時代は相前後しますけど、メキシコの銀山、アフリカからの銀の流入により、ヨーロッパは貨幣経済が大きく発展し、この時期にイタリアで複式簿記が始まったりしています。

日本に関しては、徳川幕府が経済を抑制したがるせいで、却って遅れてしまいました。が、大阪では世界初のコメの先物相場が形成されたりと、時代の最先端を行く動きもあったからこそ、明治維新後に西欧式の経済運営が可能だったのだと思います。

ヌマンタさん、こんばんは。
銀の流通と世界の変革のお話はもう中学高校の歴史の定番にしてしまってよいのではと思ってしまいますね。
おっしゃるっとおり日本の底力はあったので徳川幕府の経済政策がもう少し近代化していればなあ、とは思っちゃいますよねえ。

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