「敗者の古代史」(森浩一)
~「反逆者」から読み直す
森先生は考古学で、古代史の敗者の側に注目した論文を多く書いています。
本書は、教科書などで磐井の乱とされ、筑紫君磐井が敗者として反逆者のように書かれているが実態は少し違うのではないかという例を始めとして、古代史上敗者とされたさまざま人々に焦点を当てたものになっています。
日本には判官贔屓の精神があるのに、歴史は勝者が作るからか、敗者についてはあまり研究する人が多くなかったのは確かに不思議ですね。
本書の解説に「考古学は地域に勇気を与える」という言葉があり、公式見解では敗者とされる人物も地域にとってはある種の英雄だったりします。
英雄は良いものです。
森先生が好きな人にはおすすめの一冊です。
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