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2024年10月 6日 (日)

シビル・ウォー アメリカ最後の日

 映画シビル・ウォー見てきました。
 題名が戦争(内戦)もので、カリフォルニアとテキサスが組んで叛乱しているとかD.C.にいる大統領が3期目だとか、背景が語られるのかと思えば一切そういう説明はなく、それは単なる舞台装置でした。
 戦場カメラマンのロードムービーに特化していて、とにかく武装した人々の狂気を淡々と描くことに主眼が置かれていた感じです。
 誰がいいとか悪いとか、正義とか悪とかはもう放り投げた感じで、監督が突き進んだというフィルムメイクでなんともすさまじいの一言です。
 もちろんド派手な銃撃戦はありますが、人の存在が希薄な戦車戦とか航空爆撃とかはちょっとはありますが味付け程度で少ないです。それよりもあえて人の顔で演技をさせています。
 その合間に流れるゆるい音楽とか風景とか、この監督は悪魔かと思えるほどの緩急の付け方です。
 戦場カメラマンは戦場で誰かを助けたりすることはなく、そこでシャッターを押さなければならない。その鉄の掟を冷たいと考えるか、尊いと考えるかは見る人によるでしょう。
 新人カメラマンが、次第に成長し、最後のスチールを撮る様を、感動と恐怖なしには見られないでしょう。
 そこに正義はない。あるのは真実を撮ること。

 去年の秋の映画でゴジラ-1.0を見た時、これが2023年の頂点だと思いました。
 そして今年、秋の映画でシビル・ウォーを見た時、これが2024年の頂点だと思いました。

 あと、この映画の直前に東崎惟子さんの竜殺しのブリュンヒルドを読んでいました。
 人の情や正義に反している行いを、どうしても責めることができない、たとえ本人が救われなくてもその行動はわかる、でもそれはやるせない気持ちでいっぱいになる。
 なんか感情をぐちゃぐちゃにされる作品が続いたせいで疲れたというのが本音です。

 あ、シビル・ウォーは絶対映画館で見てください。
 音響が良いところがあればそちらを推奨します。

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コメント

シビル・ウォーはアメリカの重要な転換点であり、もっとも力を入れて教えられると聞いたことがあります。なぜだか日本では南北戦争と意訳され、黒人奴隷解放戦争を中心に置いて教えられます。あたしゃ物凄い誤解を招く恐れがあると考えています。

ヌマンタさん、こんばんは。
私も南北戦争といえばリンカーン大統領くらいしか知らないのです。
あと、南軍の将軍像が最近撤去されたとかそういう話題は聞いたことあります。

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