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2025年8月 3日 (日)

「アンブロークン アロー 戦闘妖精・雪風」(神林長平)

 戦闘妖精・雪風の物語は、突如南極に出現した超空間通路からジャムという異星体が侵攻してきたことから始まる。反撃に転じた人類は通路の先に惑星を発見、フェアリーと名づけられたその地に人類はフェアリー空軍(FAF)を設立した。そして30年が経つ。
 第一作では、FAFにある情報収集を任務とする特殊戦に所属するパイロット深井零中尉と愛機雪風の物語が語られる。ジャムとは何かが本質的には謎のまま、深井中尉と雪風の物語は続くが、最後に雪風はジャムに勝つために深井中尉を機外に脱出させ、それまでのスーパーシルフからメイブに移り変わることで物語は終わる。
 第二作「グッドラック」ではメイブに移り変わった雪風は、ジャムに勝つために深井中尉(途中から大尉)をパイロットとして呼び寄せる。新しく加わった精神医学者のフォス大尉と深井大尉や特殊戦の人々との言語戦と現実戦が続く。情報部のロンバート大佐がジャムに寝返ることでFAFは半壊、特殊戦がジャム・ロンバート陣営との終わらない戦いに向けて総戦闘態勢を決めるところで物語は閉じる。

 この第三作「アンブロークン アロー」は戦闘機物語として完成した第一作、神林世界ともいえる言語による展開で戦う第二作に続くものとなっている。
 時間も存在も決まっていない、まるで量子世界の不確定性原理を体現するような世界を神林風味の論理ブルドーザーで道を作って行くようなパワーを感じる。いや、読むの大変なんだから。
 ジャムは地球人がわからず地球コンピューター群と戦っているようで、地球人はジャムがわからずジャムの戦闘機と戦っている。この非対称な世界で、ロンバート大佐がジャムと組む、ジャムとなることでこの枠組みが変わってしまう。
 もうここまでくるとロンバート大佐と深井零/雪風のセカイ系大戦になるのですが、状況が刻々と変わり、認識も刻々と変わるので展開が気になってしまいます。
 最後どちらが勝つかは読んでもらえればいいと思いますが、第四作が発売されたことからもわかるように戦いはまだまだ終わらないようです。

 文庫本で第一作300ページ、第二作600ページ、第三作500ページという巨大作なので読むのはなかなか大変ですが、神林ファンならリピートして読むべきバイブルですね。

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