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2026年5月27日 (水)

「リカバリー・カバヒコ」(青山美智子)

とある公園に一体のアニマルライドがある。
長い年月のせいか塗装がところどころはげてしまっているカバの遊具。
誰が名付けたかリカバリー・カバヒコ。
そのカバに祈ると自分の悪い部分を治してくれるという。
そんな遊具を中心に巡る5つのオムニバスです。
人の心は何かのきっかけでたやすく傷ついてしまいますが、そこから回復するのは自分の思いなのかもしれません。
人の心の行き違いが、決して元には戻らないけれども、また流れゆくさまが心にすっときます。
面白いのでぜひ読んでみてください。
文庫本には声優の大原さやかさんの解説や、リカバリー・カバヒコの誕生秘話があります。
大判と文庫本とありますが、文庫本の方をお薦めしたいです。

2026年5月21日 (木)

「インスタント・ジャーニー」(田丸雅智)

 田丸雅智のショートショート集。
 本作は18編の旅をテーマにしたショートショートで構成されています。
 比較的短い作品がまとめられています。
 いつものようにとんでもない展開で、最後にいろいろな感情が呼び起されます。
 だいたい最初の方の予想が裏切られるのがいい感じ。
 読んだ後にじんわりくるのがいいですね。

2026年4月20日 (月)

「小川未明集 幽霊船 文豪怪談傑作選」(小川未明)

 小川未明は日本のアンデルセンと称され、童話作家として有名ですが、もっと陰鬱な怪談も多数執筆しています。
 童話としても知られている「赤い蝋燭と人魚」や表題の「幽霊船」など、明治から大正期の社会の暗さや、この世ににじみ出てくる怪異に対する畏れがじっとりとした筆致で書かれるので、読んでいてなかなかしんどいです。
 社会が変わった21世紀になっても小説や漫画、アニメで怪異物が書かれますが、こういう100年以上前の作品も味わい深くていいかもしれません。

2026年3月30日 (月)

「アルスラーン戦記 24」(荒川弘、原作 田中芳樹)

 ペルシャをモチーフとする世界で描かれる田中芳樹原作のヒロイックサーガのコミカライズ版、アルスラーン戦記も24巻です。
 蛇王ザッハークが復活し国王の体を乗っ取り、アルスラーン軍と国王・蛇王軍の間で壮絶な戦いが繰り広げられます。
 城内に閉じ込められ圧倒的に不利なアルスラーン軍はどう戦うのか。
 コミックも後半になって原作と異なる、オリジナルの展開が続きますが戦闘シーンとかは圧巻です。
 荒川先生は鋼の錬金術師での戦闘シーンがすごかったので、見ごたえがあります。
 原作とは異なる展開になっているので、どんなラストになるのか全く分からなくなってきました。
 原作第一部のところで終わらせるんだろうと思うのですが、どれだけキャラが生き残るのかちょっとドキドキですね。

2026年3月26日 (木)

「銀河英雄伝説 全35巻」(藤崎竜、原作 田中芳樹)

 田中芳樹原作の銀河英雄伝説を藤崎竜がコミカライズした作品です。
 銀河系を二分する勢力、銀河帝国と自由惑星同盟は150年の長きにわたり戦争を繰り広げていました。
 永遠に続くかと思われた戦争ですが、それぞれの勢力に二人の天才が現れたことによって大きく舵を切ります。
 銀河帝国には常勝の天才ラインハルト・フォン・ローエングラム、自由惑星同盟には不敗の魔術師ヤン・ウェンリー。
 彼らの出現で銀河系は大激動の時代を迎えるのです。
 という流れの物語です。
 スペースオペラとして大変面白く、多数のファンを魅了しました。
 これを封神演義の藤崎竜がコミカライズしたのですが、原作をうまく使いながら端役のキャラクターにもスポットライトを当て、しかも最初は外伝のラインハルトの幼少期から描くという、とてつもない仕事をやってのけました。
 40代~50代の10年以上を銀河英雄伝説のコミカライズに投じた藤崎竜の熱量はすごいです。
 封神演義、銀河英雄伝説などの長編をコミカライズしてしかもきっちり完結させるという、藤崎竜はコミカライズの超プロですね。
 銀河英雄伝説は原作の他に道原かつみのコミカライズもあります。アニメ化は石黒監督のものが100話を超える大作として完結、現在Die Neue Theseが続いています。
 原作を含めいろいろなファンの声がありますが、基本的には全部好きですね。
 原作を知っていると登場人物がどんどん去っていったり、最後はしんみりとした終わり方になって寂しくなってしまいますが、最後まで読むとなんとも言えない余韻が感じられていいですよね。

 いい物語でした。

2026年3月17日 (火)

「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.24」(聴猫芝居)

 23巻でルシアンとアコたちは卒業して、高校時代の思い出とともに作品もきれいに終わった。
 ・・・はずでしたが、卒業後の大学編が語られるのでありました。
 もう少しだけ続くのじゃ、という感じでしょうか。
 まあ、この作品はその後を書いても味があるとは思うのでそこはいいか。

 レジェンダリー・エイジのMODを使ってLAの世界を再現してみたり(〇インクラフトみたいな)、テーブルトークRPGをベースにしてAIがGMやNPCを務めるげーむだったり、いつものようにゲーム世界を描いてくれます。
 いつものアレイキャッツの面々が繰り広げる、高校時代とテンションが変わらない日常ですが、高校卒業後の彼らのドタバタな日常が垣間見えて懐かしい気分にさせてくれます。

 ところで、メインの時間軸ってどこにあるんだろう?

2026年2月19日 (木)

「転生したらスライムだった件 31」(川上泰樹/伏瀬)

 転スラの原作は完結しましたね。
 コミックは今31巻です。
 今回は3人娘、テスタロッサ、ウルティマ、カレラの登場回になります。
 武官はいっぱいいるリムル陣営ですが、文官が足りないので悪魔の手も借りたいってところでしょうか。
 本当に悪魔を高官にするというところがぶっ飛んでますね。
 そして、リムルの教え子5人衆にも出番がありましたね。
 それにしてもルミナス様はいろいろ助言をしてくれる女神様みたいですね(まあ神様なのですが)。
 番外編みたいですがイフリートも久々に出てきました。
 登場人物が増えてきて世界が広がってきて、コミック版も面白いですね。

2026年2月14日 (土)

「楽園残響」(大樹連司)

~楽園追放2.0 -Godspeed You-

 ナノハザードで崩壊した地球を捨てて、人類はディーヴァと呼ばれる電脳空間で生き延びていた。
 ある時地球から、フロンティアセッターを名乗る存在が宇宙船で新天地に行こうと呼びかけるハッキング事件が発生、捜査官アンジェラは地球の発信源を探るべく生身の身体を合成して地球に降り立った。
 というのがアニメ「楽園追放」の始まりでした。
 実際はフロンティアセッターは本当に宇宙船の乗員を求めていたのですが、その存在自体を脅威と感じるディーヴァ保安局がフロンティアセッターの抹殺を画策していたのです。そしてアンジェラはフロンティアセッターをかばった罪で楽園を追放され地上へ逃げ、フロンティアセッターはジェネシスアーク号で宇宙の彼方を目指すのでした。
 2014年のアニメですが、3DCGアニメとして当時としては完成された作品で高い評価を得ていました。

 この作品は楽園追放で語り尽くせていなかった楽園社会のゆがみと、宇宙船ジェネシスアーク号はそのままフロンティアセッターだけで宇宙の彼方を目指したのかという問いへのアンサーになる作品です。
 本作では電脳世界の格差社会とかバックアップとか、楽園成立時の地球の様子の一端とか描かれていて、映画の世界の外側を感じられる作品になっています。
 なかなかよくできたスピンオフだと思います。

2026年2月 5日 (木)

「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 29」(森田季節)

 スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました(スライム倒して300年)は長寿のライトノベルで、2025年には第2期のアニメが放送されました。
 コミカライズも17巻まで出てます。
 なんてことはないゆるふわな物語が続く異世界転生ものですが、日常系というかきらら系というかストレスなしでぼーっと読むことができます。
 世界の危機があるわけではないし、主人公が特に何かを成し遂げるわけでもない。
 それでも長い間になると、精霊や魔族や神様がでてきてどたばたファンタジーになるわけです。
 今回も精霊や魔族や神様が関わるお話が中心になっています。
 しかし、29巻か、けっこう買ってるな・・・

2026年1月31日 (土)

応天の門 21」(灰原薬)

 平安時代、菅原道真と在原業平がバディだったら、という平安クライムミステリィ漫画です。
 業平がトラブルを持ってきて道真が解き明かすというそんな感じですね。

 今回は青馬節会での白馬の話、付喪神の話、藤原高子の入内の話題などがありました。
 清和天皇の重臣として、藤原北家の藤原良房と藤原良相兄弟の骨肉の争いが描かれます。
 そして政争は清和帝の妃の争いにもなっています。
 藤原良相は既に娘の藤原多美子を入内させています。
 対する藤原良房は藤原高子の入内を進めます。
 なお、藤原高子は在原業平とただならぬ関係があったりします。
 ここらへんこれからどう描かれるんでしょうかね。

 それよりも清和帝と多美子のカップルがかわいいのですが、周りの黒さとのギャップがすごいです。
 今回の番外編はちょっとした心の清涼剤といったところでしょうか。

 そろそろ応天門の変の時期に近づくのですが、これからどう展開していくのか。
 楽しみです。

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