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2018年10月 8日 (月)

「円の国際史」(菊地悠二)

 明治の円の誕生から終戦での占領下での扱いを経て経済が上向きになりそして不安定になった20世紀末までの歴史を説明した章と、21世紀の円の国際化に向けての展望を描いた本です。
 2000年の本なので、現在の経済状況は反映されていませんが、円がどんな経緯で誕生して世界と向き合ってきたかを見るのはいい本だと思います。
 近代はずっと金銀の流出と為替差損で国内経済がダメージを受けていたことがわかります。
 現代も似たような状況が見え隠れしているようですが。

2018年10月 1日 (月)

「朝鮮人のみた中世日本」(関周一)

 室町時代の日本の様子を当時日本を訪れた朝鮮の人々の資料から読み解いた本です。
 この時代の朝鮮側の資料として宗希璟の「老松堂日本行録」、申叔舟の「海東諸国記」、朴瑞生の「朝鮮王朝実録」から引いています。
 まず朝鮮の人が書いたのが海賊と遊女男色というのが面白いです。海賊はともかく風俗の面ではかなり日朝で意識の差があったことが伺えます。昔からこの手の話題には事欠かない国だったということでしょう。
 その他日本と朝鮮の事物の差がいろいろあげられています。朝鮮は布貨幣、日本は宋銭を好んで使っていることろなど。
 面白いことに、朴瑞生などは日本でみた水車(自転揚水車)に興味を持ち朝鮮での導入を試みているなど日本について興味をもって観察していますが、15世紀半ば以降の李仁畦の頃になると日本については興味がないのか日本評価は軽視の方向になっているところです。
 朝鮮王朝も創世期を過ぎて安定期に入ると、海外に対する興味を失ってしまったのかもしれません。

 あとこの本で書かれているのが1419年の応永の外寇(朝鮮名:己亥東征)。
 朝鮮王朝の太宗が、対馬がかつて朝鮮領だったとして出兵したものです。
 事前に情報が漏れないようにして朝鮮にいた日本人を591名拘留、分置、うち136名が死亡したというかなりのもの。
 1万7千人余で出兵しましたが、最後糖岳の戦いに敗れて撤退しています。
 敗戦したとはいえその後も、対馬はもともと鶏林(慶州)に属していたものと認識されていて、今に至っているみたいです。
 ただ、その後の海東諸国記には対馬は日本という地図があったりして、だいたいはこっちの認識だったのだろうと考えられます。

 朝鮮人から見た中世日本の様子ということで、現代とはまた違った見方ができると思います。

2018年9月16日 (日)

「図解雑学 マルクス経済学」(松尾匡)

 賃金低下や労働時間増加など、まさにマルクスとエンゲルスがどうにかしようと悪戦苦闘していた19世紀が再現したような現在21世紀、マルクス経済学が脚光をあびています。
 本書ではそのマルクス経済学を扱いますが、マルクスを紐解きながらもマルクスでは古くなってしまった部分を主流経済学を適用しながら解説しています。
 ソ連などが言っていた「マルクス経済学」は全くマルクスではなかったですし、冷戦に勝利したと見える資本主義経済は貧富の格差とブラック労働を垂れ流し続ける存在になっています。
 今の資本主義経済は明らかにやばいですし、反資本主義の動きも別の意味でやばいです。
  2010年の本ですが、資本主義を批判する立場としてのマルクス経済の本ということでなかなか良かったです。

2018年9月 6日 (木)

「魔法使い黎明期 劣等生と杖の魔女」(虎走かける)

 ゼロから始める魔法の書の続編シリーズが始まりました。
 500年に及ぶ教会と魔女の対立。
 それはゼロと傭兵の活躍もあって和平が成立するに至りました。
 したのですが、それまで対立していた教会と魔女がすぐに仲良くなるはずもなく、対立の火種はくすぶり続けていました。

 そんな中、ウエニアス王国にある魔法学校の生徒セービルは学長に呼び出され特別実習を言い渡されるのです。
 そこに同行するのは300歳を自称する魔女。
 彼らの行き先は魔法を嫌う南部地域の村。
 彼らは無事に行きつくことができるのか。

 前作から5年ほど経過したところから物語が始まります。
 学長アルバスは妙齢の女性に。
 イラストではものすごく成長していて、前作の面影がないほど。
 そしてセービルたちに同行する魔女ロスが、鉄板ののじゃロリ、ロリばばあ。

 前のシリーズがゼロと傭兵という大人の物語だったのと比べて、このシリーズは少年少女の成長物語になりそうです。
 テーマ的にも破壊された秩序と世界の再生と再構築という感じですし。
 しずまよしのり先生はイラスト原案ということで、うまく再スタート出来て良かったですね。

2018年9月 2日 (日)

「アフリカ少年が日本で育った結果」(星野ルネ)

 ネットで話題になっていた漫画です。
 アフリカで生まれた少年が両親の結婚を機に日本で育ったその様子を描いたものです。
 コミカルで面白くできています。
 生国と異なる地で暮らす時のエピソードが軽妙に、時に考えさせられる感じで描かれていて物語に引き込まれます。
 味がある絵やね。

2018年9月 1日 (土)

「キミのお金はどこに消えるのか」(井上純一)

 「中国嫁日記」の井上さんが描いたお金の漫画。
 ジンサンと月(ユエ)さんの会話劇で経済のお話をします。

 見る前は正直「大丈夫か?」と思っていましたが、大丈夫でした。
 企画・協力のアル・シャードさんとのコンビ、そして明治大学の飯田先生の監修ということもあっていい感じで面白い本になっています。
 単なる学習漫画じゃ面白くないですものね(p.162)。

 あとこの本の肝はここだと思います。

(1)公共事業をちゃんとやる
(2)公務員を増やす
(3)教育、医療に使うお金を増やす
(4)消費税を下げる
(5)上記の財源は国債でまかなう

(p.115)

 奥さんの月さんが中国の人だからというのもあって、中国の経済成長との比較がなかなかシビアに語られます。

 この本ではないのですが、NHKカルチャーラジオ 歴史再発見 思想史の中のマルクス―資本主義はどこへゆくのか(2014年放送)を聞き直していて、冷戦時代西側社会は東側の社会政策を取り入れることで労働環境を改善していたが、ソビエト崩壊で労働者のことを考える必要がなくなったため、その後むき出しの資本主義が現れてしまった。今まさにマルクスの時代の労働環境の悲惨さが再現されている、という感じの話が出ていました。
 今中国は公共事業を盛んにし教育や研究開発に多額の資金をつぎ込んでいます。
 ざっくり言えば、日本は中国のこういうところを真似すればいいのです。
 北欧のように消費税20%にしようという真似はしなくていいのです。

 少なくとも、お金ってこう考えることもできるんだ、という人には向いています。
 ちなみに飯田泰之准教授は内閣府規制改革推進会議委員です。

2018年8月19日 (日)

「帳簿の世界史」(ジェイコブ・ソール、村井章子訳)

 いわゆる複式簿記が発明されたのは中世イタリアです。
 それまでも会計はありましたが、アラビア数字と貿易における共同出資方式の採用で複雑な記録を処理する必要が出てきたからのようです。
 まさに必要は発明の母。
 会計は非常に有用なツールで、極めれば巨万の富を築くこともできました。
 しかし、会計を怠れば栄光は露と消えていきます。

 最初の例はフィレンツェを支配したメディチ家。
 銀行家のコジモといえば世界史の有名人。
 しかし孫のロレンツォは会計を大事にせず濫費を繰り返して身代を潰したのはご存知の通り。

 そして16世紀スペインは世界に覇を唱えていましたが、実は無茶苦茶な財政運営だったようです。
 アルマダの海戦での大敗北、30年戦争、新大陸の金銀の枯渇など17世紀のスペインは下り坂でした。
 ドン・キホーテでセルバンテスがかつての栄光が失われたスペインを嘆いたのがこの時期です。
 会計に反対する勢力が多く、財政改革がままならなかったのでした。

 逆に会計に強かったのがオランダです。
 そして民間資本と国家資本の混成となる東インド会社は歴史的な発明でした。
 しかし富める者は狙われるもので、17世紀には英蘭戦争でニューネーデルランド(現ニューヨーク)をイングランドに明け渡したり、フランスに攻め込まれたりしています。
 会計に強いところは恐れられるものでもあったのです。

 ルイ14世を支えた会計顧問のコルベールはつとに有名です。
 この時代ルイ14世も帳簿を持つほどで、フランス全土に会計システムが広がりました。
 ブルボン王朝の最盛期です。
 しかし、コルベールの死後、フランスの会計は滅茶苦茶になります。
 既にルイ14世の死後1年でフランスは破産状態になってしまいました。
 18世紀、もうどうにもならなくなった時点でルイ16世がネッケルを財務長官に任命します。
 ネッケルは改革を断行しますが、脅威を感じたアンシャン・レジームから叩かれます。
 そして民衆の味方となっていたネッケルが国王に罷免された後、群衆はバスティーユに殺到しブルボン王朝は終焉を迎えた。
 フランスで徴税請負人制度が廃止され、国税庁が設置された後フランスは会計改革の国となったのです。

 イギリスで産業革命が起こったのも簿記のおかげで、事業が複雑化した場合のコストの計算を見出したのです。
 しかし、産業革命で成功したイギリスを公害が覆っていくのは避けられない運命でした。

 さらに時代が進むと人権より生産性が優先する「科学的管理法」が脚光を浴びることになります。
 フォードやヒトラーもテイラーの科学的管理法を採用しました。
 ただしフォードの非人間的管理はストライキを頻発させ、ヒトラーは会計責任を無視して敗戦まで軍事路線をひた走ったのでした。

 そしてアメリカ。
 「アメリカ企業は闇の部分が光の部分より多い」と言われ、アメリカ企業の水増しバランスシートのせいで1929年の大恐慌が起き、なんと1933年までに時価総額の89%が失われたのです。
 そんな中、インサイダー取引も銀行と政治家の間で行われていて、モルガン、クーリッジ大統領、ケネディ大統領の父などアメリカの闇の部分が露になったりします。
 そんな会計の闇が引き継がれて出てきたのが2008年のリーマンショックです。
 そして現在でも、グローバル企業はそのあまりの複雑さに、中国はその巨大さでなお会計責任を果たさない為に、「経済破綻は世界の金融システムに組み込まれている」と言えるのです。

 帳簿から見た世界史の本として面白い試みです。
 帳簿の歴史としても世界史のおさらいとしても読める良い本です。

2018年8月12日 (日)

「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインVIII ―フォース・スクワッド・ジャム<中>―」(時雨沢恵一)

 ソードアート・オンラインのスピンオフ小説第8弾。
 第4回のスクワッド・ジャムの上中下の真ん中です。
 主役のレン、フカ次郎、ピトフーイ、エムのLPFMと宿命のライバルともいえるSHINCやMMTMとの激突が始まります。
 レンは彼女との結婚をかけたファイアの策謀に勝つことができるのか。
 そしてピトフーイとデイビッドとのどうにもならない大人のこだわりは。

 下巻に向かう前にLPFMもSHINCもMMTMも大変なことになっています。
 どうなるレンちゃん。

 そういえば、今回姫ちゃんの加入で覚醒したように強くなったZEMALが、エピソードだけで全く対戦に絡んできていないのが気になります。
 もしかしてファイアと対比する存在だったりするのか。
 女性に甘い作者だから何があっても驚きません。

 次の9巻を待ちましょう。

 インターネットラジオは隔週水曜日。
◆ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オフライン
http://www.onsen.ag/program/ggo/

 レン役の楠木ともりさん、フカ次郎役の赤崎千夏さんと、毎回出てくる作者でお送りしています。

◆楠木ともりのともりるきゃんどる
http://www.onsen.ag/program/tomoradi/

 なおレン役の楠木さんはソロラジオが始まっています。
 オフラインと別の週で隔週火曜日です。
 ともりる笑いすぎ。

2018年6月30日 (土)

「発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術」(借金玉)

 発達障害の診断を受けた著者が実践から得たライフハックの本です。
 かばんぶっこみこそが最強の戦略とか、クリーンな机を用意しろとか物理的な指摘がたくさん書かれています。
 一方で、無礼講なんてものはない、わかったね?とか、茶番センサーを止めろとか、他者を見下して笑った自分の人差し指は自分を突き刺すとか精神的な指摘もたくさんあります。
 これはASDとかADHDとかの人だけではなく多くの人にとって大変有用なライフハックではないかと思うのです。

 この本の中で「見えない通貨」というお話があります。
 他人の親切(それが一方的なものであっても)に礼を言わないことは、商人が商品を取引したのに対価をもらえなかったくらいの怒りを引き起こすというのは覚えておいていいかもしれません。
 ここらへんが発達障害の人には気が付きにくいことであったり、それ以外の人でもやらかしてしまうことであったりするかもしれません。

 治療薬の話のところは監修の先生も書いている通りですが、やはり薬のことは専門家に聞くのが一番良いので自己判断だけはしない方がよいでしょう。
 軽妙な語り口で大変読みやすく、面白くて役に立つ本だと思います。

2018年6月24日 (日)

「春宵十話」(岡潔)

 数学者岡潔先生の随筆。
 人の中心は情緒である、こう語る数学者の心の内を出したもの。
 数学論や日本人論やその他たくさんの人との思い出が書かれています。
 岡先生独特の考えと語り口が興味深いです。

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